歯周病治療

歯周病認定医による
精度の高い治療のご提案

歯周病認定医は、日本歯周病学会が認めた研修施設で3年以上の研修を経て基本的な歯周病治療の知識と技術を習得し、認定医試験に合格した場合に取得できます。歯周組織や歯垢の状態、歯茎の腫れや出血などを評価し、適切な診断を行います。これにより、患者様に合わせた治療計画を立案できます。歯周病治療では、単に症状を改善するだけでなく、将来のお口の健康を考慮した治療計画の立案が重要です。歯周病認定医は口腔内全体を広い視野で見据え、10年以上先を考慮した治療計画を作成します。また、歯周病が進行した場合に、歯周組織再生療法や歯周外科手術が必要となった際にも的確な対応が可能ですのでお気軽にご相談ください。

※当院では、日本歯周病学会のガイドラインに基づいた診断と治療を行っています。

歯周病を調べるための
当院で行う検査

口腔内写真撮影

口腔内写真撮影は、お口の中の状態を記録する検査です。歯肉の状態や退縮、腫れ、膿の有無、歯の長さや骨の状態、口腔内の乾燥度、舌の状態など、さまざまな情報を記録し、定期的に変化を確認します。この検査は、治療計画の立案や治療結果の評価に欠かせません。

X線検査パノラマ デンタル14枚法

当院では、精度が高いデンタル14枚法と呼ばれる方法でX線検査を行っております。お口の中を10〜14枚に分けてレントゲン写真を撮影することで、歯と歯が重なっているために1枚のレントゲン写真では確認しづらい部分まで確認できます。パノラマレントゲンは簡単に撮影できますが、精度がデンタルレントゲンに比べて低く、歯周病治療においてはデンタルレントゲン10枚法または14枚法での撮影が必要です。

精密歯周病検査

精密歯周病検査は、専門器具を使用して歯周ポケットの深さを測定する検査です。歯周ポケットの深さからは、歯周病の進行度や炎症の程度がわかります。測定方法には1点法、4点法、6点法などがあり、当院では正確性が高い6点法を採用しています。

歯周病の進行段階と治療方法

健康な歯肉

健康な歯肉健康な歯肉は、歯周組織によってしっかりと支えられており、ピンク色で引き締まっています。また、歯と歯の間の歯肉が三角形の形状をしています。歯周検査やブラッシングの際に出血することはなく、最も良好な状態と言えます。健康な歯肉を維持するためには、定期的なクリーニングや歯肉マッサージなどのケアが必要です。

歯肉炎

歯肉炎歯肉炎は、歯と歯茎の間の溝である歯周ポケットの深さが2~6mmの状態です。歯肉がやや赤みを帯びており、ブラッシング時に出血することがあります。歯肉炎の段階ではほとんど痛みを感じないため、放置してしまいがちです。専門的なケアによってプラークの除去と炎症の抑制を行うことで、1ヶ月程度で歯肉を健康な状態に戻すことができる場合がほとんどです。

軽度歯周炎

軽度歯周炎歯周炎は歯肉炎が進行し、歯を支える歯槽骨の破壊が始まった状態です。歯肉は赤く腫れており、ブラッシング時に頻繁に出血します。歯周病ポケットの深さは3~5mmになり、歯が揺れを感じるようになります。歯周ポケットに溜まったプラークや歯石をしっかり除去するために、ブラッシングやスケーリングなどの処置が必要です。

中等度歯周炎

中等度歯周炎中等度歯周炎は歯槽骨の半分近くが溶かされた状態です。歯周ポケットの深さは4~7mmとなり、歯の根にプラークや歯石が付着しています。歯肉の腫れもひどく、少しの刺激で出血することもあります。膿がたまることで口臭も強くなるため、パートナーから指摘されることもあるでしょう。治療では、プラークや歯石の定期的な除去と経過観察を行います。症状が改善しない場合には、フラップ手術で歯根に付着したプラークや歯石を直接除去します。

フラップ手術

フラップ手術は、中等度以上の進行した歯周病の治療に適用する歯周外科治療です。通常、スケーリングや他の非外科的な処置で歯周病の改善が見込めない場合に行います。この手術では、歯ぐきを切開して歯根面に付着しているプラークや歯石を直接除去します。通常のスケーリングやクリーニングでは届きにくい歯根面の歯石やプラークも、手術によって確実に除去できます。

重度歯周炎

重度歯周炎重度歯周炎は、歯ぐきが真っ赤に腫れ上がり、膿が出るなどの症状が現れます。歯槽骨も大きく溶かされているため、歯がグラつき、食事を摂るのも困難になることがあります。歯周ポケットの深さは6mm以上になり、歯肉の退縮によって歯の根も露出してしまいます。重度歯周炎の治療は、主にスケーリングやフラップ手術によるアプローチが基本です。また、歯槽骨を大きく損失していることが多いため、再生療法も行うことがあります。

再生療法

再生療法は、歯周病によって失われた歯ぐきや歯槽骨を再生する治療法です。ただし、再生療法は歯周組織の破壊が大きすぎると効果が期待できません。当院で行っている再生療法は、エムドゲインとリグロスです。

エムドゲイン

エムドゲインは、エムドゲインゲルと呼ばれるタンパク質の一種を歯の根の表面に塗り、歯周組織の再生を促す方法です。エムドゲインゲルの主成分は幼若ブタの歯胚から抽出されたものであり、安全性が高く世界30ヶ国で使用されています。感染症のリスクもほとんどありません。

リグロス

リグロスは、歯周病によって傷ついた歯ぐきや歯槽骨を再生させるための薬剤です。主成分のトラフェルミンは、歯ぐきや歯槽骨の修復を促す働きを持ちます。保険診療でも使用できますが、歯周ポケットの深さが4mm以上であり、歯槽骨が垂直方向に3mm以上溶けていることが条件です。また、リグロスの成分にアレルギーがある方や、お口の中に悪性腫瘍がある方には使用できません。

歯を失う原因
第1位の「歯周病」

歯を失う原因第1位の「歯周病」歯周病は日本の成人の約80%が罹患していると言われています。むし歯とは異なり、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、進行が進んでから気づくことが多く、やむを得ず抜歯となるケースも少なくありません。さらに、全身疾患との関連も報告されているため、単なる歯ぐきの病気と思わずに、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。

痛みがなくてもセルフチェックしてみましょう!

  • 起床時にお口の中がネバネバする
  • 歯を磨くと歯ぐきから出血する
  • 口臭が気になる
  • 硬いものを噛むと痛みがある、または噛むのが難しい
  • 食べ物などが歯と歯の間に詰まりやすい
  • 歯ぐきが下がって歯が長く見える
  • 歯ぐきが赤く腫れたり、膿が出たことがある
  • 歯が浮いたり、グラつく感覚がある

1つでも当てはまっている場合は、歯肉炎か歯周炎の可能性があります。

歯周病と全身の健康の関係

歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことが分かっています。歯周病菌が歯ぐきの血管から侵入し、血流に乗って全身に広がることで、さまざまな全身疾患のリスクを高めます。例えば、歯周病菌が血液中に入り込むことで、炎症反応が起こり、インスリンの効果が低下する可能性があります。その結果、血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病が悪化すると言われています。また、歯周病菌が血管内膜に炎症を引き起こすことで、動脈硬化の進行や血栓の形成を促す可能性があります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の疾患のリスクが高まると報告されています。さらに、妊娠期間中の早産や低体重児の出産リスクを増加させるとも言われています。このように、歯周病は間接的に生命に関わる病気のため、健康寿命を延ばすことやお腹の赤ちゃんのためにも早期発見・早期治療を目指すことが大切です。

歯周病を再発させないために

歯周病を再発させないために歯周病は何度でも再発する可能性があります。セルフケアとプロフェッショナルケアの併用により、効率的に歯の健康ケアを続けましょう。セルフケアでは、歯周病の主な原因である歯垢を日常的に除去するために、歯磨きを毎日行います。正しい歯磨きの方法と歯ブラシの選び方を知るために、まずは当院でブラッシング指導を受けて頂くことことをおすすめします。そして、歯科医院でスケーリングをはじめとする歯石除去の施術を受け、磨き残した汚れを徹底的に取り除きましょう。また、当院ではメンテンス時の歯科用CT撮影をおすすめしております。お口の中の状態は日々変化していますので、3カ月に1回程度の定期検診のタイミングで、口腔内の状態を把握することで健康寿命を伸ばすことに効果的です。

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